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zoom RSS コンピュータ将棋選手権決勝  渡辺明竜王の話

<<   作成日時 : 2006/05/06 23:06   >>

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5月5日の子供の日の朝から、コンピュータ将棋選手権の決勝を見に、かずさアークへ行ってきました。
そこで僕は渡辺明竜王と初めてお会いしました。と言っても、ほとんどの将棋棋士とは面識がないのですが・・・。(知り合いの知り合いなら、ほとんど網羅するかもしれませんが・・)おそれ多くも自己紹介して名刺交換し、雑談すること3分あまり。
「まだ全部は読んでないですが、ブログとか拝見してますよ。・・・桃鉄とか・・」と言ったら、「そっちですか!」と軽くつっこまれました。
 ゲームの場合の数についての話、オセロは80!(階乗 10!=10x9x8x・・・)、チェスは150!、将棋は200!、囲碁に至ると300!になるというようなことをお教えしました。「(将棋は)チェスとそんなに差がないですね。」とおっしゃられましたが、この階乗というのが曲者で、後から振り返ると少し数字のトリックにかけてしまった気もしました。
 階乗の数字だけで判断すると近い気もしますが、10の何乗という形にすると、チェスは10の123乗、将棋は10の226乗、囲碁は10の360乗です。将棋とチェスは0が100桁はゆうに違いますね。階乗の表記はコンピュータ囲碁を論ずるにはわかりやすい表記です。(囲碁は場合の数がひとつづつ減っていくゲームですから…。)囲碁が大変なのは明らかですね。
「オセロについては10年以上前に人間が抜かされてます。」、と伝えましたが、正確には1997年にBuroのオセロのプログラムが人間の世界チャンピオンに6-0で圧勝したのが最後のことです。10年以上に実力で抜かされていたのは確かですが、正確な知識を伝え損ねました。
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プロジェクター画面を見つめる渡辺竜王。やはり一流の人だけが持つ空気を持ってらっしゃいます。

さて、渡辺竜王の大盤解説はとても面白かったです。笑いあり、一流の勝負師のまなざしあり、コンピュータ将棋に対する慧眼(?)もありました。こういう素晴らしい解説を現地に行った人しか聞けないというのは、少しもったいない気がします。音声や映像でネット配信して欲しい(有料でもいいから)ものですね。
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脇道にそれますが、紙の観戦記に変わるものとして、棋譜だけを譜分けして無料公開し、音声だけを有料で(ポッドキャスティングなどで)流すという方法はないものだろうか。(これについては棋界のコンテンツビジネスのひとつということで、僕のメインでもある囲碁のことも含めて近いうちに考えていきたいな・・・と。)

さてコンピュータ将棋選手権はBonanzaの勝利に終わりました。しかし、その後の加藤幸男氏との対戦を見る限り、人間が実力で抜かされるのは当分先だなという気もしてきます。正直この対局は、将棋の内容的にはあまり面白くはありませんでした。大会用の調整ということもあり、早めに投げたり形づくりをするような無駄なルーチンは積んでなかったでしょうし、最後の方は人間の感覚からは、あまり美しくないなと感じられますね。(しかしプログラムの記述の方ではシンプルなわけですが・・・。)
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上は加藤氏が仕掛けで成功した局面の解説風景。ここまでくるとコンピュータも非勢だとわかりますが、人間と違って十数手以上前からこの図を予想するというのが難しいのでしょう。
10秒将棋で酒が入っていると、プロもころころ負ける(Bonanzaに)こともあるようなのですが、30秒将棋でも真剣にノーミスで指せば、鍛え上げた人間は簡単に負けません。
 ただ、10年後のことは予想もできません。10年前といえばYSS(AI将棋)の山下宏さんがまだ優勝をしていないのです。IS将棋(東大将棋)も激指も出てきていません。(開発すらしていなかった・・・) Bonanza以外の何か別なチーム、あるいはプログラムを一気に強くするようなブレークスルーが出てきて、これから劇的な進歩を見せることは大いにありうるでしょう。コンピュータ将棋は単にハードウェアの進歩で強くなっているのではなく、主にプログラマの創意工夫によって強くなっているのです。

さて最後に大会終了後の渡辺明竜王の総評の音声ログの一部です。(携帯電話のメモリが足りず全部録れませんでしたが、)将棋プログラマ達や研究者にとっては、大変ありがたいお言葉だったと思います。
「・・・本当にチームの皆さんがソフトの指し手に一喜一憂されていて、ずっと側で自分の教え子の指している将棋を見ているような感じで・・・コンピュータ同士の戦いなんですけども、まるで人間が指しているかのようなまわりの取り組み方で、そういう面を今日新しく確認できて・・・すごいなんか微笑ましい光景でした。
また今回ネット中継ということをやったと聞いておりますし、また今日も実際、大勢の将棋ファンに足を運んでいただきまして、まあ、こういう新しいコンピュータの戦いというのものも、将棋ファンの皆様にとっても新しい将棋の楽しみ方として、これから・・・」


そうですね。これから、人々の意識も含めて日々新しくなりゆくのでしょう。
プログラマ達や研究者たちも一年後に向けて新しい一歩を踏み出しました。打倒Bonanzaを目標に・・・。ひとつひとつの作業は行きつ戻りつの歩みですが、確かに向上し続けるでしょう。これは人間の指し将棋が進化してきたのと、同じようなことです。『人の創りしもの』ですから、欠陥があるのは当然のこと。だんだんと全き形になっていくのでしょう。

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プラダ トート
2013/07/07 08:32

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