一棋客の思考の欠片

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zoom RSS 人間対コンピュータの棋戦の企画を考える(下)   具体的なプラン

<<   作成日時 : 2006/05/04 01:35   >>

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コンピュータ対人間の棋戦が必要な時期に来ていると感じている。以下は具体的にどんな棋戦ができたらよいかについての提案である。

週間将棋で行われていた対局はコンピュータの思考アルゴリズムに合わせているかのような早指しと感じるが、人間の思考形式にプログラムが適応する形の方がよいと考えている。

これから必要になる棋戦は最低限、早指しと長時間の持ち時間の二通りである。

・NHKスタイルの早指し
・持ち時間の長い将棋(持ち時間 3時間、1分将棋 など)

[早指しについて]
人間がある程度慣れていると思われる考慮時間方式が見る側にとっても興味深いし、公開対局などにも適していると感じている。公開イベントで行うには適度な長さだ。二時間かからないくらい・・。映画一本くらいの時間だろう
ここで人間が考慮時間に入った等の情報はコンピュータに伝えてよいものとする。人間が考慮時間に入ったら、その待ち時間を有効に活用するようなプログラムも開発できる。これはプログラムの進化につながるのではないだろうか。コンピュータは操作の時間を含めて30秒以内に指さなくてはいけないとする。
 この考慮時間形式の早指しの雛形は結構、興味深い戦いになりそうである。人間が見て楽しむには、そのコンピュータプログラムがどのような特徴を備えているかについても、知る必要がある。コンピュータの内部の情報は会場などで見ている人に開示してもよいのではないか。その時点で考えている最善の手順とか、候補手とかだ。相手の対局者にわからないように、解説者には情報が伝わるような仕組みを作ることは難しいことではない。
 コンピュータプログラム側が完全なブラックボックスではに感情移入もしにくいし、ただのキワモノイベントに陥ってしまう感じもする。プログラム側が対局を観戦する人々にどのような情報を提供できるのか(正直、操作画面だけでもよいと思うが)がイベントの成功なかぎだと思う。

[持ち時間の長い将棋について]
持ち時間の長い将棋では人間のミスが出にくくなる特徴があると思う。コンピュータに対抗するための様々な試みがなされるであろう。一戦一戦が将棋の進歩にもつながっていくと思う。勝負がお互いにとってよりつらいものになるかもしれないが・・・。
このようなイベントで起こりうる流れだが、
人間がコンピュータの弱点をつく。→プログラマ側が工夫して補う。→コンピュータ強くなる。→人間が互角で対峙するには人間自身が進化していかざるを得ない。
コンピュータ側は最高のプレイヤーを迎えることにより、欠陥が明らかにすることができるし、人間側は自らの将棋を本質的な意味で試される。注目が集まり対局料なども見込めれば、人間にとってもWin、プログラム側もWin、スポンサー側も革新的なイベントの開催によって社会的な評価を得られるであろう。

[個人戦より団体戦で]
個人戦ではなく団体戦の方が盛り上がると思う。これは最近の囲碁の棋戦の盛り上がりぶりでもわかる。私以外の人では少々異なるかもしれないが、最近は国内の棋戦よりも国を背負ったような戦い(農心辛ラーメン杯のような)に興奮する。最近はたくさん負け続けているので勝つと余計に嬉しい。スポーツでオリンピックが最高の大会であるように、国際棋戦が最高のエンターテインメントになりつつあると感じる。(棋士もそこを目標にすべきだ)
人間対コンピュータが常に組まれるようにした方がよい。コンピュータ対コンピュータを見たいのは小数派だろう。そのときに個人的には対抗戦ではなく、勝ち抜き方式でやった方がよいと思う。
コンピュータ側はコンピュータ将棋選手権での上位5チーム。
人間側が打ち込まれるとどんどん強い人がするものとする。
アマ強豪→アマトップ→奨励会→プロフリークラス→C2→C1→B2→B1→A
というようなところか・・。人間側も背水の陣で打ち込み制でやって欲しい。A級が負けた時点でコンピュータ側の勝利となる。年二回くらいやって、二番手直りくらいの感じでやって欲しいと思う。個人的には奨励会の三段がかなり頑張ってくれるのではないかと思う。
この上の打ち込み制だと最短でA級にたどりつくのは8、9年といったところだろうか。10年規模で続くイベントにすぐできると思う。観戦者もかなり感情移入できるイベントになるはずだ。

コンピュータ側は定められた詳細なログを提出することを義務づけるよいと思う。なるべくブラックボックス化しないで、人間の側からも調べられるようにするのがフェアだろ感じる。以下のような情報を公開することをプログラマ側に義務づけする。
・バージョン情報(バージョンはできれば樹形図で進化したもの)
・その局面での候補手(上位3手くらいをめど)
・すべての局面で最善と思われる着手の流れについて

以上のような条件を開示すれば、人間側での対抗策も進化していく。このような条件で行われる対局により、将棋も進化していくと思う。プログラム用の戦法や定跡も生み出され、その究極の形は人間にとっても有効なはずだ。

長時間対局の条件でトップの棋士を抜かすには20年はたっぷりかかると思われる。早指しの条件でトップレベルにかなりいい勝負をするのに10年くらいであろうか。ただ、この予想は人間が進歩しないとした場合の予想だ。この戦いを通じて人間は進化していくと僕は期待する。

[最後に]
もし人間が負かされてしまった場合に、文化としての将棋は廃れてしまう可能性はある。
将来の将棋普及はどうなるのかとか、将棋は終わってしまうのかとか言った不安が、当然ながら棋士の側にはあるだろう。ただ、将棋ファンのレベルでは(自分も負かされるし)すでに時の矢が後戻りができないのを受け入れているのではないか。これから起きることは必然だと感じている。
将棋が素晴らしい文化であるのは確かだ。日本人的な美的要素が詰まっているとも感じる。これがコンピュータに凌駕された暁にはこの世界に現在のような才能が集まるようなことはなくなるのかもしれない。オセロと同じように小学校くらいで卒業するような遊戯となるかもしれない。
もし将棋が負かされることになったとしても、僕はその先には何かのフロンティアはまだまだ広がっていると感じている。棋の世界が簡単に終わるわけではない。一見価値のないことにすぐにお金にならないようなことに労力を費やすことができるということが、国家の品格でも語られているように、文化の厚みなのだと思う。
将棋のプレイヤーだけでなく、将棋や囲碁のプログラマー達もこの厚みに貢献している、と考えるのが僕の立場だ。早く上記のようなイベントを見たいと感じている。




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コメント(6件)

内 容 ニックネーム/日時
「人間が考慮時間に入った等の情報」?はルールで決まるのであり、伝えるべき情報ではないと思うが。ルールで決まる以外の情報をわざわざ伝えるのは、勝負として、どうかと思う。それにより持ち時間が増える等の利点があればともかく。
気になったので
2006/05/04 21:31
コメントありがとうございます。
相手が考慮時間に入った時は、時間を有効に使おうと相手に合わせて読みを深めることができます。コンピュータプログラムでも相手の考慮時間の一分の時間を有効に使うような仕組みを組み込むことは技術上可能です。
人間同士の場合は相手が考慮時間に入ったというのは自然に耳に入ってきます。コンピュータにも知らせた方がある意味フェアと思いました。ただ明示しなくても30秒以上操作がなければ、相手が考慮時間に入ったことは判断できますが・・・。
私は時間の情報もある意味、ルールの内だと考えています。
一棋客
2006/05/04 22:30
本日、大学の先輩で元将棋部員だった方とコンピュータ将棋について話をしました。週間将棋で「激指」と元アマ名人たちが20分の切れ負け30秒で指したら、アマの3勝7敗に終わったとの記事がありました。
先輩は「おかしい。アマが本気を出しているとは思えない。本当にコンピュータを負かしに行くのなら過去30年の一流棋士の棋譜には無い戦法を試すべきだろう。また30秒ではコンピュータの終盤力には勝てない。1分なら逆の結果になったのはないか」と言っていました。かつて県代表だった先輩の言葉を将棋では初段もない私は信じるよりありません。
みんみん
2006/05/04 23:15
5月3日発行の週間将棋の最新号ですね。私も昨日、買って読みました。
前半戦の五局は持ち時間1時間で切れたら1分の対局のようです。アマチュア側としては、「あれっ、こんなはずじゃ」といった感じで、2−3で負けたのでしょう。全部の棋譜を見てないのでなんともいえませんが、アマ側はプログラムの弱点を積極的につくことはしなかったかもしれませんね。(常にそうであるように自分の持ち味を発揮しようとはしましたが…)
もし、週間将棋の記事の全文を読んでないのでしたら、是非お読みください。興味深い記述です。コンピュータプログラムは明らかにアマトップの強さの目前まで迫ってきています。
一棋客
2006/05/05 01:55
すでに将棋ソフトには相手の思考中にも読みを深めるようなことは組み込まれていますよ。
一見客
2006/05/06 11:04
一見客さん。もちろんそれことは知っています。ただ相手が考慮時間に入ったとたんにプログラムの方でもパニックタイムを起動させるとか、『考慮時間に入った』ということで、中盤手前なら相手の仕掛けを読むとか、単純な全幅探索以外の作りこみをしている場合には有効かなと思って…。
ただ、上のことは僕の直感プログラムで言っているので(プログラマへの裏づけをせず)、実際にはそれほど有用な情報ではないかもしれませんね。
一棋客
2006/05/06 11:55

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